Snowy Sky

人生の事例紹介です

大学の早期卒業をした感想

大学(学部)を3.5年で終わらせた感想です. 特に,決断の過程と,卒業した後の感想をまとめています.

これに伴い半年で行った卒業研究については,前回の記事をご覧ください.

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前半部では利点・欠点について述べ,後半で「早期卒業をした人の感想」を記します.

決断に至るまでの分析

早期卒業をするか否かの決断を迫られたのは,3年生の3月,つまり4年生に上がる直前でした.

※ 3年で学部を出る早期卒業と,3.5年で学部を出る早期卒業がありますが,ここでは後者の話をしています.

私としては,入学の時点から制度の存在は認知しており,実は最初1か月くらいは意識して目指していたこともありました.しかし,様々な要因*1により,成績を取る余裕のない時期が何度か続き,現実的ではなくなっていました.大人になるって大変ですね. それだけに,最終的に対象者になったのは,色々運が良かった側面があります.

私の身の上話はさておき,対象になると「あなたは対象者です」というメールが来ます. 事務手続きの都合上,2週間以内に希望するか否かを回答する必要があったので,ちょっと悩みます*2

色々な方に話を伺い,半年だけ早く卒業することのメリット・デメリットまとめたところ,下記のようになりました.

早期卒業のメリット

個人的にメリットと感じた点は以下の通りです.

  • 経済面(条件付き):就職する場合,あるいは大学院へ進学して通常通りの修業年で学ぶ場合,早期卒業で短縮する期間分の学費がかからなくなる.
  • キャリア面1:早期卒業という,聞こえのいい学歴が手に入る.
  • キャリア面2-1:結果的に発生する自由な半年間を,休学してインターンシップに参加したり,留学へ行ったりすることができる*3
  • キャリア面2-2:同世代の中でも,早く就職まで辿り着ける.

大学の先生方のご意見としては,聞こえのいい学歴というのが一番大きいと仰っていました.

後ろ2項目については,相反し,競合することにご注意ください.

早期卒業のデメリット

一方,デメリットと感じる点も以下に示します.

  • 経済面(条件付き):例えば修士課程に2.5年在籍するような場合,経済負担は変わらない.更に院の学費が学部より高い場合は,総額が増加する.
  • キャリア面:日本社会と半年ずれる.特に民間企業への新卒就職を検討する場合は,どこかで何かしらの調整をしなければいけない.
  • 気持ちの話:あえて自由度の高い学生の身分を得る期間を減らすことによる,潜在的な多くのリスクがあり得る.

2つ目に関連して,大学院進学を前提にして大学が提示していたキャリア案は次のとおりです.

以下,副学長からのお手紙の一部抜粋:

学士課程を3年6月の在学期間で9月に早期卒業する場合,修士課程では次に示す履修パターン等が考えられますので,学修計画やキャリアプランを熟考し,今回の早期卒業の機会を最大限活用してほしい旨を伝えていただきたい。

  1. 修士課程を1年6月で短縮修了し,4月より就職する。
  2. 修士課程を2年後の9月に修了し,10 月より就職する。
  3. 修士課程を2年後の9月に修了し,その後博士後期課程に進学。博士後期課程は2年6月で短縮修了し,学士課程から博士後期課程までの通算で1年間の短縮を実現する。
  4. 修士課程を2年6月で修了し,4月より就職する。2年6月のうち6ヵ月間は,在籍 したまま海外留学やインターンシップなどを実施する。

ここまでのまとめ

当然ではありますが,どちらがいいか,というのは一概に判断できることではないですね. だからこそ,希望するかどうかをわざわざ確認するわけでもあります.

メリット・デメリット共に色々含みがありますし,何かしら人生計画をお持ちであれば,それに直接影響することになるでしょう.

要は人ぞれぞれです.

とはいえ,それだけだと半ば無責任なので,実際にしてどうだったかという「した人の感想」を後半で書いていこうと思います. 残念ながら人生の対照実験は不可能なので,「しなかった人の感想」は誰かにお任せすることにします.

感想

それでは感想を述べていきます.

ただし,この感想が必ずしも,いま悩んでいるあなたに有効かどうかの保証は何もできません.あくまでもこれは一例です.最終決断には自己責任でお願いします.

決断

私は早期卒業をすることを選びました.

理由としては,経済負担を減らせことができるという点が最も大きかったです.

もちろん,「飛び級ってかっけー!」みたいな気持ちが決して少なくなかったことも注記しておきます.

役に立った点

1つ目は,理由として書いたように経済負担が減りました.これはそのままです. 半年分の学費だけでなく,私の場合は比較的高額な定期券代を合わせると,合計で30万以上の削減になりますから,決して少なくない額だったと思っています.

2つ目に,学びを意欲的に継続できました. 私の大学では学部4年生から大学院の講義を受けることができますが,年間10単位までと比較的厳しい制限があります. 秋から大学院生の身分が得られることで,この制約を受けることなく,学部からシームレスに勉強を継続できたという点が個人的には良かったです. もちろん研究室で1年間卒業研究をすることにも多くの価値があるでしょうから,このあたりの感じ方は人それぞれだと思います.

3つ目に,インターンシップの点で有利でした. 秋に大学院生になることで,翌春のインターンシップには大学院生として応募することができます. 更に早期卒業というお墨付き(?)ですから,色々と楽になるのかもしれません*4

4つ目は蛇足ですが,大学院生としての身分を得ることで,自分を研究に向かわせる強い言い訳を得たと思っています.

ちょっと後悔している点

1つ目に,遊ぶ時間が減ったと思っています. ここでいう遊ぶ時間とは,課外活動などを含んでいます. やっていることしては生き急ぎですから,当然自由な時間が減ります. もしかすると,別の新しい何かができたのかもしれませんが,これはたらればです.

2つ目に,卒業式がずれたことです. ほとんどの同期と自分が非同期してしまうので,いくつかのイベントが共有できなくなります. 実際,多くの知人が卒業式の話をしているタイミングで疎外感を持ち,寂しくなったことがありました. 私もみんなと桜の下でわいわいしたかったです*5

最後に余談で,「卒論1年間ちゃんとやれば良かった」みたいな話を別の経験者から聞きました. しかし,これは本人の強い意思さえあれば修士課程最初の半年でもできますし,よほどでなければ指導教員も付き合ってくれるはずですので,必ずしもデメリットにはならないと思います.

リスクの話

半年留学する〜という選択肢を引用しましたが,その多くがこのパンデミックで白紙になっているらしいです.私も短期留学の話が無期限の延期になっていて,不安があることを否めません*6

人生というもの何が起こるかわからないので怖いですね. 今後決断をしていく方々は,このようなリスクを頭の片隅に入れておくと良いのかもしれません.


以上が私の感想になります.

一つの例として,お役に立てれば幸いに存じます.

*1:家庭とか知人関係とか,色々問題が発生したのです.

*2:後から知ったことですが,「希望する」と回答しても,学位申請の前である7月くらいでは,取り下げることができたようです.逆は不可能です.なので,この手続き制度が持続する限りは,悩んだらとりあえず希望しておけば良さそうですね.

*3:これは通常課程でも,指導教員の理解があれば可能だと思いますが,心の余裕が生まれるらしいです.

*4:私はありがたいことに別ルートでご縁があり,私がこの特権を実際に行使することはなかったのですが……

*5:感染症の影響で彼らの卒業式は消えてしまったことで,複雑な気持ちになったりもしました.

*6:一方で留学を声高に推進していた偉い人たちがいまどんな顔をしているのかには,なかなか興味がありますね